高層ビルの狭間から

WELCOME 2 PARADISE

何もかもが尊い

つい最近推しが尊くて泣きました。

 

これ嘘じゃなくて、本気で良い大人がカラオケでグスグス言ってたんですよ。

 

じゃあ何を観て泣いたかと言うと、2013年に上演された「DANCE EARTH ~生命の鼓動~」のDVDを今更観て泣きました。

2014年の「Changes」は以前DVDで観て面白いなあと思っていたので、2013年の公演も欲しいと思っていたんですが、廃盤のために中々手には入らず諦めていたところを最近入手しまして!!ド新規の私は感激しながら友人とカラオケで一緒に観ました。

 

2013年のDVDだし廃盤なのでネタバレ云々もないかと思うんですが、ストーリーほぼ全部書いてるのでお気をつけください。

 

<あらすじ>

究極の統治プログラム「イザナ・システム」によって、かつてない平穏無事な社会を手に入れた巨大国家<帝国>。


その要となる絶対不変のルールは「NO DANCE!」…踊ることの禁止だった… そんな静寂の世界に暮らす、平凡な青年サルタは、ある夜、ひとりの“ピエロ”が満月の光の下で踊る姿を目撃する。

 

それは彼が生まれてはじめて目にする“DANCE!”…ココロとカラダの躍動だった。その夜、サルタは旅に出る。ダンスが息づく未来の鼓動を知る旅へ。

(DANCE EARTH公式サイトより引用)

 

あらすじだけ見る限り、完全なるディストピア世界です。

主人公のサルタを私の推しであるEXILE TETSUYAさんが演じています。

 

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あらすじだけだと不完全なので補足すると、ある日サルタはとある広場の管理人になることを帝国から命じられます。そこにはもう一人の管理人であるワダマサ(演:EXILE NESMITH)と言うお爺さんがいて、サルタはワダマサと二人で広場の管理をすることになります。

 

広場の管理をしていると、サルタは満月の夜にピエロが度々広場で踊っていることを目撃します。この帝国では「NO DANCE」と言うルールがあり、踊ることは法律で禁止されています。

 

しかしサルタは未だかつて見た事ないダンスに心を奪われ、ピエロを止めることが出来ません。

 

とはいえサルタは管理人なので、ある日満月の夜に待ち構えてピエロを追いかけます。追いかける内にサルタは自分が知らない世界へと足を踏み入れ…と言う話になっています。

 

この話の何が凄いかと言うと、

 

①伏線が丁寧。

友人と「へえ〜NO DANCEねえ…ディストピアありがちの法律でガチガチに縛るやつじゃん」ってカラオケでおつまみを食べながら気楽に観てたんですが、最後の方友人(いつもの啓司さん推し)と二人でめちゃくちゃ「しんどい…そんな…」って半泣きで観てました。

 

サルタはピエロを追いかけて旅をする内に、自分が誇りに思っていた帝国が、かつて同じ地にいた先住民を虐殺していたことを知ります。

 

そして更に、帝国を統治するイザナ・システムはワダマサの妻であるイザナ(演:クリスタルケイ)が人柱となって出来た知能システムであり、戦争で混沌としていた世界を統治するためイザナが肉体を捨てて意識だけの存在となった事も知ってしまいます。

 

当初人類への深い愛を持って帝国を統治していたイザナでしたが、意識だけとなって永遠の刻を生きる内、果てしない肉体への憧れと嫉妬がイザナを襲いました。結果イザナの意識は暴走し、肉体の躍動、つまりダンスを禁止する法律を勝手に作り上げてしまったのです。

 

サルタの前に現れた不思議なピエロはかつてイザナが小さい頃からずっと大切にしていた人形のピエロこと「ルーデンス」であり、ピエロはサルタを困らせるためではなく、暴走したイザナを救って欲しいとサルタに頼むべく旅へと導いたのでした。

 

サルタが管理を任された広場は戦争で殺された先住民の死者を弔うためにできた広場であり、物語の中盤〜後半でサルタは怨霊たちに取り憑かれてしまいます。多分ですが、全てを制御するイザナの力が暴走したため、鎮魂システムの力も及ばなかったんだと理解してます。苦しむサルタに取り付いている怨霊たちを祓うため、ピエロはぼろぼろになりながらも踊り続けます。

 

ここでサルタ、そして観客は漸くピエロがただサルタを困らせるためだけに旅へと導いたのではないことに気づきます。(鈍いのかもしれませんが、私は怨霊のシーンで初めてピエロの本当の気持ちに気づいてびっくりしました)

 

ルーデンスの願いである暴走したイザナを救う=イザナの精神を殺す、ことでありそれに気づいたサルタは葛藤しながらも踊ります。ルーデンスも大好きなイザナを救うべく踊り続けます。

 

しかしイザナの意識から出来たルーデンスは、イザナが崩壊した後はただの人形のピエロに戻ってしまうことに気づいたサルタは踊るのを止めようとします。

 

「ルーデンス!踊っちゃだめだ!踊るのをやめるんだ!ルーデンス!」

 

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「みんな!みんな!ダンスをやめてくれ…やめるんだ…ダンスをやめてくれ…おねがい…おねがいだ…」

 

「ルーデンス!」

 

「それ以上踊れば君はただの人形に戻るんだ!それでもいいのか!」

 

「やだよ、やだよ…」

 

「なんだよ、みんなして…」

 

一部省略していますが、ルーデンスを止めるべく叫ぶところの演技でTETSUYAさんは完全に役に入りきっていました。

 

 

もともとサルタは広場で踊るルーデンスの姿に心を奪われているんですよね。最後まで必死に踊るルーデンスを見て、サルタは泣きながら別れを告げます。

 

この一連の部分を演じているてつやさんはもう役に入り込んで涙で顔がぐしゃぐしゃになるほどで、観ているこっちもしんどかったです。そのあまりの迫力に、推しだからとかそういうことじゃなくて完全にこちらも貰い泣きしました。

 

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本当にぐしゃぐしゃだったんですよ。

 

今でこそ言えるけど、ルートダンス、ダンスを探求するてつやさんがこの役をやったことが深い。

サルタは最初「NO DANCE!」と帝国の法律に何の疑いも持たず当たり前のように言っていて、しかし最後では「ダンスをやめてくれ…」と言っているけれどその意味は真逆。

この役をダンスにひたすら真摯に取り組むてつやさんが演じたことに意味があると思っています。

 

あとピエロが最後の一言以外頑なに喋らなかった理由が人形だったから、と気づいた後でもまたしんどかった。

 

もうちょっとストーリーは複雑なんですけど、これ以上書くととっちらかった内容になるのでやめます。でも本当に色んな伏線が丁寧に張り巡らされてた上、ちゃんと回収されてたので最高でした…。

 

 

②歌とダンスが最高

イザナと若い頃のワダマサ(回想やナレーションとして登場)が主にミュージカルパートを担当するのですが、いかんせんかの有名なクリスタルケイさんとEXILE NESMITHなので歌がとにかく上手い。

 

最初にねっさんのソロ曲があった時、演出はよく見慣れているテニミュっぽいなあ〜!と思っていたのですが(ネルケだったし)、まあ歌が上手い。

 

ミュージカル調の曲って大好きなんですが、爽やかな曲もあり、泣ける曲もありで、どれも凄く良かったです。個人的には滅多に聞けないけどてつやさんの歌声が大好きなので、クリスタルケイさんとのデュエットソングは何回も聞いてます。てつやさんの歌ってパフォーマーだし本業じゃないのでめちゃくちゃ上手いってわけじゃないんですけど、素直と言うか、心に響いてくるな〜って感じるんですよ。

まあ推しなので贔屓目って言われたらそれまでなんですけど!笑

 

他にもイザナ・システムがイザナと言う一人の女性による人柱で出来たシステムであると言うことが明かされた時、クリスタルケイが丸いチューブのような、ガラスのような仕切られた中で、切ない曲を舞台の真ん中で歌い上げます。

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それがあまりにも切なく響き渡るので物語に説得力を持たせるんですよね。

 

ダンスはまあ言うまでもないんですが、こんなにダンスのクオリティが高いミュージカル滅多にないかも…って興奮しながら友人と話しました。LDH主体のミュージカルだし、ミュージカルの内容からして当たり前なんですがダンスパートがとにかく多い。

 

SMの女王様のようなキャラクターが出てきたかと思えば、先住民の奴隷たちと迫力あるダンスを踊ったりします。この奴隷たちはとにかくダンスが凄くて、二人で繋いだリボンが絡まないように、でも激しいダンスを踊ったり。テレビの巻き戻しや早送りを表現したりと、観客にダンステクニックを見せつけてくる素晴らしいものでした。

 

 

③小ネタパートが面白い

 

とにかくねっさんのワダマサのギャグパートが面白すぎる。

コントみたいなパートがところどころに挟まるんですが、ねっさんの演技がとにかくうますぎる。こんなに演技うまいの!?!?ってびっっっっくりしました。

 

一人ギャグパートとか、けっこうサムかったり事故ったりすることが多いと思うんですが、茶柱の神に祈ってるシーンとかむちゃくちゃ最高でした。

 

あとは日替わりだったらしいダンスの神が降臨するダンスシーン(ほぼライブみたいな演出)。

DVDに収録されているのがまさかのケンチさん回だったんですが、収録日にわざわざケンチさん入れてくるところで「は〜〜〜わかってるな〜〜〜」って頭抱えました。横須賀コンビ好きを殺すのやめてください。あのダンスライブシーンの歓声むちゃくちゃ黄色かった。

 

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ダンスの神を見たサルタくんが「今のがダンスの神かあ!最後、なんかもの言いたそうな顔だったけど…」で観客が笑ってるし「でもきっとすごい頭良さそうな顔してたから…もうほんと格好良いんだからぁっ!!(むちゃくちゃ大声)」でまた横須賀コンビのfamを殺してたんですけどいい加減にしてもらって良いですか。

 

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いい加減にしてもらって良いですか!?

 

 

LDHネルケって聞いて「ウッ」てなることが多いと思うんですが、今のとこDEPのミュージカルは凄い良かったので、今後もまたやってくれないでしょうか。

 

思ったことを思うがままに書いたのでいつになく超ぐちゃぐちゃの文章になりましたが、結局言いたいことは「推しが最高だった」と言うことと「ミュージカルのクオリティが凄まじく高かった」と言う2点です。ありがとうございます。

 

舞台とかミュージカルって人によって合う合わないはあると思うんですけど私はこのDVDを家宝にします。